2005 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子ドット・フォトニック結晶とMEMSの融合による新素子開発
Project/Area Number |
04F04791
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 泰彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUIMSRD Denis 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子ドット / MEMS / フォトニック結晶 / 光通信波長 / MOCVD |
Research Abstract |
本研究は、微小電気機械システム(MEMS)技術と通信波長帯で発光する半導体量子ドット(QD)を内包するフォトニック結晶(PC)を融合することで既存の素子では得られない独創的な機能を持つ新素子の開発を目的としている。本年度は本素子の基盤技術となる、通信波長帯に発光波長をもつ高密度かつ高品質なInAs QDの形成技術および高品質なPC結晶作製技術の確立に成功したので報告する。 量産可能な有機金属気相成長法を用いて、QD成長前にサーファクタントとして微量のSbを用いることで高密度かつ高品質なInAs QDを形成できる新たな手法を見出した。この形成法により室温での発光波長が1.3μm、密度5x10^<10>cm^<-2>、半値全幅25meVと高密度、高均一なQDを形成したところ、Sbを用いないQD試料と比較して3倍の発光強度を示した。また、InAs QD形成時に微量のSbを用いることで発光波長を光通信波長帯である1.55μmにシフトさせることに成功した。発光波長の長波長化のために一般的に用いられる歪緩和層を用いたQDと比較して、100倍を超える発光強度の増大に成功した。また、PC微小共振器を1.3μmで発光するQD試料に作製し、低温において連続光レーザ発振を確認した。これにより本手法によって形成されたQDのゲインの高さと、高品質なPC作製法を確立したことを確認した。来年度は、今年度確立したQD形成技術およびPC作製技術を基にMEMSを組み合わせた新機能素子開発を行う。
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