2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04792
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Host Researcher |
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
MAISONNEUVE Sylvie Renee 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / 耐病性 / 細胞死 |
Research Abstract |
植物の耐病性反応において、細胞死が病原体の感染細胞で誘導される。この細胞死は、病原体の増殖抑制および抵抗性誘導において重要な役割を果たしていることが知られている。しかし、その分子機構についてはほとんどわかっていない。そこで、本研究では、細胞死と耐病性の関連を調べるために、いもち病感染に伴って疑似病斑(細胞死)を誘導するイネの関口朝日変異体(Sekiguchi-lesion ; sl)を解析している。この変異体では病斑形成に伴って防御遺伝子の発現や抗菌性物質の蓄積を含む一連の抵抗性反応が誘導されることから、SL遺伝子は耐病性反応のネガテイブ・レギュレーターとして機能していると考えられる。前年度までの解析により、マップペースドクローニングによりSL遺伝子の候補遺伝子を特定した。今年度、複数のsl変異体で候補遺伝子の塩基配列を解析したところ、塩基置換の変異が生じていることがわかった。また、候補遺伝子のcDNAをユビキチンプロモーターの下流に連結しsl変異体で過剰発現させたところ、候補遺伝子はsl変異を相補することが明らかとなり、候補遺伝子がSL遺伝子であると確定した。SL遺伝子の機能解析を行うために、SLタンパク質の一部をGST融合タンパク質として大腸菌の系を用いて発現させ、それを抗原としてSLタンパク質に対する抗体を作成した。ウエスタン解析により、作成した抗体がSLタンパク質に特異的に反応することを確認した。また、全長のSLタンパク質を酵母と大腸菌の系を用いて発現させ、特異的抗体を用いたウエスタン解析で目的のタンパク質が出来ていることを確認した。今後は、このSLタンパク質を用いて酵素活性および基質について解析を行い、耐病性誘導におけるSL遺伝子の役割を明らかにしていく予定である。
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