2004 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェント技術を用いたインターネット上の経済シミュレーション及び組織シミュレーション
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04F04795
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 亨 京都大学, 情報学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROUCHIER Juliette 京都大学, 情報学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 交渉 / エージェントシミュレーション / 市場 |
Research Abstract |
本研究は,「交渉」に関するものである.定期的な取引における一般的な交渉モデルを構築することを目的とする.あまり抽象的にならないために,共同研究者がよく知っており,交渉の目的がはっきりしている青果取引を観察することとした.一般化するために,まず,日本とフランスのシステムの違いを明らかにする.最終目的は,交渉におけるフランス,日本,それぞれのシステムをシミュレートするパラメータを同定し,マルチエージェントによるモデル化をすることである.この研究では,異文化コラボレーションの課題も解決することも期待される. 情報収集のために二つの簡単なフィールドワークを行った.まず,大阪の市場を訪問し,交渉における各エージェントが持つ情報の制約をよく理解した.また,フランスにはないタイプの制約が分かった.共同研究者が日本語ができないので,龍谷大学経済学部の川村先生に英語を話すステイクホルダーを紹介していただいて,少しでも理解を促進するようにするつもりである. JOAA(日本有機農業学会)の年次会議へ参加し,提携という取引の形態に従事している顧客と農家の人に合うことができ,どのように値段が決まるのかを聞くことができた.提携は,資金の問題を考えることなく,品質を重視して,非常に長期間の契約を行うものである.このシステムは日本から生まれたものであり,他の国もそれにならい利用している.同じ商品で二つの文脈における交渉を比較することが興味深い.一つは,利益を得る目的のものであり,もう一つは,強い関係を築く目的のものであった。
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