2006 Fiscal Year Annual Research Report
アワノメイガ類にみられる寄主植物依存性変異に関する研究
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04F04796
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 幸男 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PELOZUELO Laurent 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アワノメイガ / 寄主植物 / 遺伝的分化 |
Research Abstract |
2004年の冬季及び2005年の夏季に日本各地において昆虫を採集した.冬季には計7箇所,8寄主植物(Amaranthe sp.,Artemisia sp.,Bidens sp.,Ambrosia sp.,Zea mays, Rumex sp.,Sorghum sp.,Xanthium sp.)から1000頭以上の幼虫を採集したが,休眠を人工的に打破することが困難であったりしたため,幼虫の最終死亡率は高くなった.結局,483頭の成虫が得られた.最も多くのOstriniaの幼虫がトウモロコシZea mays(イネ科)から得られたが,これについでギシギシRumex sp.(タデ科)オナモミXantium sp.(キク科)から得られた.これは本属の寄主選好性の多様性を示しておりとても興味深い.2005年夏季には7箇所,11種の寄主植物から339頭の幼虫を採集した.冬季と同じく,もっとも多くのOstriniaはトウモロコシから得られたが,2番目に多かったのはブタクサAmbrosiaであった.この現象は同一種で越冬用の寄主と繁殖期の寄主が異なっていることを示している可能性があり,注意深いサンプリングの必要性が示された.性フェロモンを定法にしたがって抽出し,ガスクロマトグラフ分析により,その組成を決定した.2004年冬季のサンプルでは,171頭のメスの分析を行ったが,144頭から組成の決定が解析可能なガスクロマトグラフが得られた.2005年夏季のサンプルでは,142頭の分析を行った結果,102頭の組成を信頼度高く決定することができた.性フェロモンの分析により,ほとんどの場合,種を決定することが可能であり,形態に基づいて,少なくともfurnacalis typeの脚細型とscapulalis typeの脚太型,そして大型で特異な色調を示すpalustralis typeの3つに分別することができた.
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