2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04800
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蔡 安邦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISA M.H. 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 自発酸化 / ZrAu / 貴金属-希土類金属 / 金属間化合物 / 触媒 |
Research Abstract |
貴金属-遷移金属と貴金属-希土類金属系の金属間化合物を大気中で酸化を施すことによって、酸化物中に数ナノの貴金属微粒子が分散することが報告されている。しかし、このような研究は金属的な視点で酸化後のナノ組織や酸化の機構の解明に限られていた。一方、通常の触媒の調整において共沈法や含浸法は主たる手法であり、長年にわたって用いられてきたが、大きなブレークスルーが望めない。我々はバルク合金から金属学の知識に基づき触媒材料を開発するという着想から、上記の組み合わせの金属間化合物を前駆体として選定した。現在まで、Au-ZrおよびAu-Ceの酸化前後の組織および触媒活性について調べてきた。両合金いずれも自発酸化速度が速く、大気室温に置くと数日間でバルクの試料が粉末になっている。X線回折実験おいて約充分に酸化された試料には数nmのAuナノ粒子がZr_2OあるいはCe_2Oに分散している組織が確認された。この二つの試料の水性ガスシフト反応およびCO酸化反応の触媒活性を評価したところ、極めて高い活性を示すことが明らかになった。現在まで知られている触媒より高い活性を有しており、合金の自発酸化による触媒調整法が有望であることを示している。現在、これらの微細組織の透過電子顕微鏡観察による高活性の原因の解明を進めている。このほか、Ce-Au-ZrやCePd等の金属間化合物を作製し、組織を調べた。CeAuZr合金ではCeAuとZrとの2相に分かれるが、CeZrAu_2合金では上記のような相分離は観測されていない。今後、これらの合金の自発酸化挙動、微細組織および触媒機能について調べている。
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