2004 Fiscal Year Annual Research Report
EU拡大と「対テロ戦争」の観点から考察した地中海におけるESDP(欧州安全保障防衛政策)の将来
Project/Area Number |
04F04816
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Host Researcher |
岩間 陽子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授
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Foreign Research Fellow |
LEVENTIS Y 政策研究大学院大学, 政策研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ヨーロッパの安全保障・防衛政策(ESDP) / 東地中海 / キプロス / ギリシャ / トルコ / イギリス |
Research Abstract |
世界の中でも安全保障に関し慎重さを要するこの地域におけるキプロス(北及び南)、ギリシャ、トルコ、イギリスの間の複雑な関係の相互作用から生じる諸問題の多様性をヨーロッパの安全保障・防衛政策(ESDP)の観点から明らかにすることを主眼として研究を進めた。この文脈において、地域の活動主体である上記のそれぞれの国の安全保障に対する認識と懸念についての吟味を行った。特に、他の考慮事項より優先されるトルコの独特の安全保障文化に重点をおいて分析した。この「最も重要な安全保障の認識」の観点から、ここ数年間のトルコの強い軍事及び経済活動、EUへの加盟交渉の開始として約束されている日(2005年10月)、並びに現れつつあるヨーロッパの安全保障・防衛政策(ESDP)の構造の中におけるアンカラの立場について明らかにすることを目指した。 これまでのプロセスについての分析を進め、キプロスの懸念を見過ごし、トルコ側の利益に大幅に的を絞っていくようなNATOの能力の活用についてのEUとNATOとの間の合意について分析を進めることが、研究の中心的な部分となる。そこで、EU加盟国であるキプロス協和国がNATOとのEUの協議から除外されたことの意味について分析を進めてきた。構想されている「キプロス連合共和国」の対外、防衛及び安全保障政策の実施に制約を課するものである「キプロス問題に対する包括的措置のための国連計画(2004)」での措置に照らし、ヨーロッパの安全保障・防衛政策(ESDP)の実施の東地中海への影響についても分析した。
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Research Products
(1 results)