2005 Fiscal Year Annual Research Report
ジャスモン酸シグナル伝達経路に関するhebiba突然変異体のマップベース・クローニング
Project/Area Number |
04F04860
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
高野 誠 独立行政法人農業生物資源研究所, 生理機能研究グループ・環境ストレス研究チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MICHAEL Riemann 独立行政法人農業生物資源研究所, 生理機能研究グループ, JSPS外国人特別研究員
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Keywords | hebiba / ジャスモン酸 / 突然変異体 / マップベースクローニング / イネ |
Research Abstract |
前年度から継続して、STSマーカーを用いてhebiba突然変異の候補領域の絞り込みを行った。まず、CAPSマーカーのR440(88.7-89.2cM)とC136(115.6cM)が、変異部位を挟んでいることを確認した後、これらのマーカーの内側で組換えを起こしている個体(すなわち、いずれかのマーカーの遺伝子型がヘテロの個体)を選抜した。それらの個体を用いてさらに内側のPCRマーカーで遺伝子型を調べ、組換えを起こしている個体を選抜するという操作を繰り返して、RM15422とRM15424との間、約110kb、BAC clone2本分まで絞り込んだ。その後は、まだ組換え体が存在するにもかかわらず、それ以上の絞り込みが出来なかったので、候補領域に存在する予測遺伝子の発現を調べた。主な予測遺伝子は6個存在したので、プライマーを設計してRT-PCRで増幅したところ、いずれの遺伝子もhebiba突然変異体と対照とで同様に増幅した。この時点で、素直に解釈すればhebiba突然変異が点突然変異であることになるが、γ線照射で得られた突然変異体であることや強い表現型を示すことから、表現型による選抜の過程でホモ以外の遺伝子型の個体が混じっていて絞り込みを混乱させた可能性も考えられた。 そこで、もう一度原点に立ち戻り、完全な変異体の表現型を示すF2個体からDNAを調製してラフマッピングをやり直すと、候補領域が少しテロメア側にずれていることが分かった。新たな候補領域に存在するマーカーを用いてマッピングを行ったところ、hebiba突然変異体では、大きな欠失が起こっていることが分かった。現在、欠失した領域の特定を行うと共に、そこに存在する予測遺伝子から候補となる遺伝子を検索中である。今後は検索された候補遺伝子を用いて相補実験を行う予定である。
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