2005 Fiscal Year Annual Research Report
刺胞動物など海産無脊椎動物と微細藻類などの微生物との共生機構の解明
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04F04868
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
丸山 正 独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物圏研究センター, プログラムディレクター
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REIMER James Davis 独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物圏研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 多様性 / スナギンチャク / 共生藻 / 新種 / 分類 |
Research Abstract |
我々が解析したITS-rDNA配列によると、桜島と国分に今布するZoanthusのコロニーはsubclade C1タイプのSymbiodiniumを持っている一方、屋久島のZoanthusは、2つのsubclade C1およびC15タイプをもっているおり、さらに奄美大島のZoanthusは2つのsubclade C1とA1タイプをもっていることを確認した。このことから、Zoanthus(宿主)-Symbiodinium(共生藻)の共生関係は柔軟であることが確認された。また、各Zoanthusコロニーの中から取れた、SymbiodiniumのITS-rDNA配列にはmicrovariationが確認された。このmicrovariationの由来がまだはっきり分かっていないが、各コロニーの中に遺伝的に非常に類似したSymbiodinium genotypeが複数存在するか、あるいは一つのSymbiodiniumのgenome中に、複数のITS-rDNAのコピーがある可能性がある。 マメスナギンチャクZoanthus属の分類体系は、その形態が不安定であるため、未だ確立されていない。本研究では、本属からミトコンドリアゲノムにコードされている遺伝子(COIと16S rDNA)の配列を取得し、分子系統解析を行うことによって、南日本のZoanthus属の多様性を調べた。本研究の結果によると、南日本には、少なくとも三つのZoanthus種が存在し、そのうち二つは新種であることが確認され、その2種をZoanthus gigantusおよびZoanthus kuroshioと命名した。 イワスナギンチャクの二つのグループPalythoa類とProtopalythoa類は同属か否か、100年前から議論があり未だ決着のついていない状況にあった。本研究で、この分類学上の問題を解決するために、この2のグループのサンプルからミトコンドリアにコードされる遺伝子(COIと16S rDNA)の配列を取得し、分子系統解析を行った。その結果、Palythoa類とProtopalythoa類は同属であることが強く示唆された。したがってProtopalythoa属という属名は不適切であるといえる。
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Research Products
(4 results)