2004 Fiscal Year Annual Research Report
イノベーション・フローと技術レバレッジー日本企業の東アジアでの直接投資
Project/Area Number |
04F04904
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小田切 宏之 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NELSON P.A. 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | イノベーション / 新規企業 / ベンチャーキャピタル / 技術革新 |
Research Abstract |
16年度は、企業のイノベーション戦略について、主として文献調査に基づいて研究を進めた。特に、「破壊的」なイノベーション、「非連続的」なイノベーション、「連続的」なイノベーションの区別をおこない、それが新規企業設立、資金調達、労働資源配分などの企業システムのあり方とどう関わっているかについて分析した。特に、流動的な労働市場やベンチャーキャピタルや新規資本市場を通じて新規企業の設立が用意であるような米英に代表されるような自由市場経済(LME)と、長期雇用や株式持ち合い、銀行と企業の結びつきなどを特徴とする日本やドイツのような調整型市場経済(CME)を比較し、破壊的なイノベーションは後者ではおきにくく、非連続的なイノベーションが中心になることを論じた。その上で、インターネット、携帯電話、デジタルカメラなどの産業におけるイノベーションのケーススタディをおこなったところ、ブラウザーを開発したネットスケープ社のような破壊的イノベーションのケースも、関連他産業における企業がその蓄積した技術資源を応用する形でイノベーションを起こし新規参入したデジタルカメラのカシオ社のように非連続的とみなしうるイノベーションが起きたケースもあることが分かった。この成果は国際ビジネス・アカデミー学会で2005年度に報告することが決まっている。
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