2004 Fiscal Year Annual Research Report
圧電アクチュエータを用いた進行波型マイクロポンプの研究
Project/Area Number |
04F04912
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小寺 秀俊 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOVERICH JACOB JOSEPH 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 圧電 / マイクロポンプ / エラストマー / 静電気力 / μ-TAS |
Research Abstract |
本研究ではμ-TAS応用を目的として,圧電素子,および静電駆動デバイスを用いたマイクロポンプ創製に関する研究を行った.圧電素子は通常焼結体を用いるため,素子の微細化は容易ではなかったが,今回あらかじめ微細形状に加工した厚さ30μmのステンレス基板上にスパッタ法を用いて厚さ3μmのPZT圧電薄膜を形成し,そのアクチュエータ特性とポンプ性能について調べた.PZT薄膜を長さ2.5mmもしくは1.5mmのカンチレバー形状のSUS上に形成することで,容易にユニモルフ型のアクチュエータが形成できた.上下電極間に電圧を印加することによって良好な圧電振動が得られた.カンチレバーをアレイ状に配置し,PDMSからなる微小流路上に設置することによって,流路壁面に進行波を発生させることができ,蠕動運動により流体を搬送することができる.今回,アレイ状カンチレバー先端と流路との接合の問題により壁面に進行波を発生させることは困難であったが,液体の流動を確認することができた. 圧電素子を用いたマイクロポンプの他,静電気力でエラストマーの伸縮を発生させ,これを駆動源としたポンプデバイスについても検討している.圧電体の作製は,焼結体や薄膜を問わず600℃以上の高温プロセスが不可欠なため,デバイス作製上大きな制限をプロセスに与えていた.エラストマーの伸縮は非常に柔軟な物質であり,かつその原理も単純なことから,バイオ・メディカル用ポンプとしての利用が期待できる.今回,素子構成の設計を行い,原理の確認,更に試作・評価へと研究を進めていく予定である.
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