2004 Fiscal Year Annual Research Report
セントロメア構築に関わるGATA転写因子のS期機能の解明とその標的遺伝子の同定
Project/Area Number |
04J00003
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高山 優子 久留米大学, 分子生命科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | Ams2 / Cnp1 / GATA因子 / S期 / セントロメア / 細胞周期 |
Research Abstract |
Ams2は分裂酵母ヒストンH3バリアントcnp1+温度感受性変異株cnp1-1の多コピー抑圧因子として単離され、Cnp1のセントロメア局在を促進することが報告されている。これまで知られているCnp1のセントロメア局在化因子とは異なり、AmS2は非必須遺伝子である。野生株では細胞周期を通してCnp1がセントロメアに局在しているのに対し、ams2破壊株では主に2核細胞でCnp1がセントロメアに局在していた。この結果はams2破壊株においてCnp1が細胞周期特異的にセントロメアへ局在することを示唆している。今回、細胞周期特異的なCnp1のセントロメア局在化機構を調べるために生細胞観察を行った。その結果、ams2破壊株ではS期からG2期にかけてCnp1はセントロメアへ局在しなくなり、G2後期からM期にかけて再局在することがわかった。この結果はCnp1がS期においてAms2依存的にセントロメアへ局在し、G2後期ではAms2非依存的に局在化することを示している。G2期に観察されるAms2非依存的なCnp1のセントロメア局在化について調べるために、G2期変異株とams2破壊株の二重変異株を作成した。ams2破壊株にG2期が伸長する変異を導入すると細胞の生育がよくなり、G2期が短縮する変異を導入した株ではM期で大小核を示し致死となった。G2期の長さに応じてams2破壊株の生存率が変化することから、G2期に見られるCnp1のセントロメア局在によってams2破壊株の生存率が保たれていると考えられる。また、野生株でもCnp1^<ts>たんぱく質がS期だけでなくG2期にもセントロメアへ局在できることを確認した。 これらの結果からCnp1はS期とG2期の少なくとも2つの時期でセントロメアに局在できることが明らかとなった。ams2破壊株のようにS期におけるCnp1のセントロメア局在化機構が欠如した場合、G2期にCnp1の再局在化によって染色体の均等分配が保障されているようである。
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