2005 Fiscal Year Annual Research Report
セントロメア構築に関わるGATA転写因子のS期機能の解明とその標的遺伝子の同定
Project/Area Number |
04J00003
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高山 優子 久留米大学, 分子生命科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | Ams2 / Cnp1 / S期 / ヒストン / セントロメア / 細胞周期 |
Research Abstract |
セントロメアに存在するヌクレオソームはH2A,H2B,H4およびヒストンH3バリアントCENP-A(分裂酵母ホモログはCnp1)からなる。Ams2はcnp1+温度感受性変異株cnp1-1の多コピー抑圧因子として単離され、Cnp1のセントロメア局在を促進することが報告されている。前年度の研究成果として、Cnp1はS期とG2期の少なくとも2つの時期でセントロメアに局在できることを示し、Ams2によるヒストン転写の活性化によってCnp1のセントロメア局在がS期に促進されている可能性を報告した。今年度は、ヒストンの転写調節とCnp1のセントロメア局在化の関係について分子レベルの解析も含めて行った。Ams2破壊株ではヒストン転写量が減少しCnp1のセントロメア局在化がS期で見られなくなる。ヒストン転写量が上昇することが知られている分裂酵母HIRAホモログであるHip1の破壊株では細胞周期のすべての時期においてCnp1がセントロメアへ局在することがわかった。これらの結果は、S期にはAms2依存的にCnp1がセントロメアに局在し、G2期初期にはHip1依存的にセントロメア局在が抑制されていることを示している。このため、少なくともヒストン転写に関与している2つの因子が協調してCnp1のセントロメア局在化を調節していると考えている。さらに、Ams2が直接ヒストンのプロモーター領域に結合できるかをChIP解析により検討した。分裂酵母には3コピーのヒストンH3-H4カセットが存在し、各ヒストンカセットでAms2の結合量が異なっていた。現在、Ams2のヒストンプロモーター領域への結合量と転写量の関係について検討している。
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