2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国における学校制度の社会的機能-学校段階間の接続と地域格差に注目して-
Project/Area Number |
04J00070
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楠山 研 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中国 / 学校制度 / アーティキュレーション / 地域格差 |
Research Abstract |
本研究は、中国の学校段階間の接続方法(進学方法や試験、学区制、連携の問題など)と、それらに関して国・教育部、地方教育当局、学校、親や児童生徒それぞれの事情や思惑が交錯する中で生じている地域格差に注目することによって、中国社会において学校制度がもつ機能を明らかにすることを目的としている。 本年度は主に日本国内および中国国内において、国家・地方の規定から実際の状況までを明らかにするために、調査・資料収集・分析をおこなった。 調査・資料収集については、主に日本国内各都市および中国の北京市において実施した。この他、中国の学校制度の地域格差に注目する必要から、地方都市(山東省、上海市、湖南省、貴州省、雲南省、チベット自治区など)を訪問し、現地の学校や教育行政機関において調査をおこなうと同時に、教育関連・中国関連の資料を収集した。これらの調査によって、例えば雲南省では少数民族が厳しい財政状況の中、成人教育を強化することによって識字教育の普及につとめていること、貴州省では立ちゆかなくなった公立学校を地方教育当局の判断で民営化し、立て直しを図っていることなど、経済状況の厳しい地方が独自の判断で現状の打開にとりくんでいることが把握できた。その他、インターネットによっても大量の情報収集をおこなった。また、こうして収集した資料を電子ファイルとしてデータベース化し、分析をおこなった。 これらの調査・資料収集・分析によって、国家・地方の公的な規定が把握できたほか、各地の抱える独特の事情によって、実際の状況に差異が生じていることが確認できた。
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Research Products
(3 results)