2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J00094
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
横川 和穂 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ロシア / 市場移行 / 制度構築 / 地方財政 / 地方自治体 / 地方分権化 / 中央集権化 / 財政連邦主義 |
Research Abstract |
本年度の研究成果としては、まず昨年度以来取り組んできたテーマである、プーチン政権下のロシアにおける地方自治体財政制度の構築プロセスについて論文をまとめ、ロシア・東欧地域研究の専門学会であるロシア・東欧学会の学会誌に発表した。同論文では、2000〜2003年のプーチン政権第1期目の地方財政改革に焦点を当て、この時期に本格的に着手されたロシアの地方自治体財政制度の構築が、中央集権化と同時に進められたため、自治体にとっては権限、財源ともに極めて限られたものになっていること、また、自治体による自立的な財政運営が制限される中で、連邦政府の「上からの改革」によって地方財政の構造転換が図られようとしていることを指摘した。 そのほか、ロシアを中心とした市場移行諸国における地方分権化に関する議論のサーベイにも取り組んでいる。地方分権化は現在世界的に観察される傾向となっているが、こうした流れの中で、EUに加盟した中東欧諸国における地方制度改革、ロシアにおける再中央集権化がどのように位置づけられるのか、日本や諸外国における議論の動向とも合わせて、今後考察を深めていきたいと考えている。 それと並行して、市場経済化の中で地方財政と地域経済、市民社会の関係のあり方がどう変化しているのかについても、研究に着手したところである。これに関連して2006年3月にモスクワの都市経済研究所を中心に2週間の資料収集を行い、今後それらの資料に基づいて分析を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)