2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J00147
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 一臣 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 日本外交史 / 国際協調主義 / 委任統治 / 日豪関係 / 田口卯吉 / 白人論 / 国家主権 |
Research Abstract |
平成17年度は、前年度に引き続き、1900〜1920年代の国際協調主義外交の原型を探るための研究に加え、1920年代に形成されたアジア太平洋秩序の1930年代における変化を探る研究を行った。 前者については、外務省外交史料館所蔵史料や回想録などをもとに、委任統治領南洋群島の法的位置づけと統治の実態の関連を調査した。これについては、近日中に学術論文としてまとめる予定である。また、国際協調主義の原型の一つを探るため、田口卯吉の対外観とその人種論の関わりについて研究した。研究内容については、渋沢栄一記念財団研究部(第5回比較思想史研究会)において「田口卯吉の天孫人種白人論 経済人の現実外交路線」として報告した(2006年3月6日)。この報告をもとに、現在学術論文を執筆中である。 後者については、前年度のオーストラリアでの調査をもとに学術論文を公表した。また2006年3月に渡豪し、オーストラリア国立図書館及び国立文書館を中心に、委任統治に関係する諸史料の調査・閲覧を行った。この調査では、前者における研究課題と連関させると同時に、委任統治の意義と対応について、日豪の比較検証にも留意した。 上記の2点に加え、研究全体を総括する議論の準備として、近代日本外交の展開の中で、国家主権の意味合いの変化がどのような影響をもたらし、かつそれにどのように対応したのかについて、文献・史料の調査を行っており、この作業は引き続き来年度も行う予定ある。
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Research Products
(1 results)