2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J00206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 敦 東京大学, 宇宙線研究所, 助手
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Keywords | 暗黒物質探索 / ガスTPC / マイクロピクセルチェンバー / 反跳原子核 / ニュートラリーノ |
Research Abstract |
暗黒物質候補粒子である超対称性粒子ニュートラリーノの直接探索実験を目的とした検出器の開発を行った。主として、超微細構造電極をもつ二次元ガスイメージング検出器であるマイクロ・ピクセル・チェンバー(u-PIC)の開発と、u-PICを読み出しにもつタイムプロジェクションチェンバーの開発を行い、アルゴン・エタン低圧封入ガスを用いて、中性子線源からの高速中性子との弾性散乱による陽子と炭素原子核の反跳イベントの三次元飛跡取得実験を実際に行った。 また、ニュートラリーノとスピンに依存した相互作用に大きな感度を持つことが計算されているフッ素原子核を含む四フッ化炭素ガス、及びスピンに依存しない相互作用に大きな感度を持つことが計算されているキセノンガスをそれぞれ低圧(0.2気圧)にした実験を行い、ガスゲインやガス中電子のドリフト速度の測定など基礎特性データの取得を実際に行った。 また、反跳原子核のガス中での飛跡とブラッグカーブの分布を再現できるシミュレータの開発を行い、我々の開発している検出器が、ガンマ線による散乱電子イベントを99%以上識別できることを確認した。 さらに、実際のデータから環境ガンマ線による散乱電子イベントと反跳原子核によるイベントを識別するプログラムの開発を行って、そのイベントセレクションの能力がシミュレーションで予想されるものと矛盾がないことを確認した。 得られた成果は、2004年10月6日にアメリカ・テキサス州・カレッジステーションのテキサスA&M大学に於いて開催された暗黒物質の国際会議"DARK2004"にて、"WIMP-Wind Detection with an Advanced Gaseous Tracking Device"という題名で発表された。
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