2004 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンカーバイド表面の酸化及び金属薄膜との反応過程の解析と界面制御技術の確立
Project/Area Number |
04J00228
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
星野 靖 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シリコンカーバイド / イオン散乱 / 光電子分光 / 分子線エピタキシー / 表面界面原子配列 / 表面界面電子物性 / 酸化膜半導体 / ヘテロ界面 |
Research Abstract |
シリコンカーバイド炭素終端面の表面構造と初期酸化過程を、高分解能中エネルギーイオン散乱及び放射光励起光電子分光を用いて、原子層レベルで解明した。まず、シリコン過剰な条件で表面清浄化処理を施すことにより、最も安定な清浄表面が得られることを見いだした。反射高速電子線回折により、基板表面の周期に比べ、2倍の表面周期性を持つことが分かった。つづいて、イオン散乱・光電子分光を用い、この表面の原子配列及び電子状態を決定した。その結果、バルク終端上に、2層のシリコン吸着原子層が存在していることが明らかになった。さらに第一原理分子動力学計算により、理論的にもこの表面は非常に安定に存在しうることを確認した。一方、この炭素終端シリコンカーバイド表面を500℃で熱酸化することにより、ある周期性を持った単原子層エピタキシャルシリコン酸化膜が形成された。さらに高温で酸化することにより、シリコンのバックボンドに酸素が入り込むことがイオン散乱と光電子分光の複合分析により明らかになった。また酸素同位体を用いることにより熱酸化における酸素の挙動をトレースし、シリコンカーバイドの熱酸化カイネティクスを原子層レベルで解明した。さらに熱力学的な考察から、シリコンのバックボンドに入り込む酸素の活性化エネルギーを決定した。 一方でデバイス応用を目的とし、分子線エピタキシー法を用い、様々な条件で作製されたn型窒化ガリウムとp型シリコンカーバイドヘテロ界面の価電子帯不連続値を光電子分光を用いて高精度で決定した。
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