2005 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンカーバイド表面の酸化及び金属薄膜との反応過程の解析と界面制御技術の確立
Project/Area Number |
04J00228
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
星野 靖 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シリコンカーバイド / イオンビーム分析 / 光電子分光 / 分子線エピタキシー / 表面界面原子配列 / 表面界面電子物性 / ヘテロ界面 / 酸化膜 |
Research Abstract |
本年度も、『シリコンカーバイド表面の酸化及び金属薄膜との反応過程の解析と界面制御技術の確立』というテーマに沿って研究活動を進めた。まず、今までほとんど注目されることのなかったSiC(000-1)炭素終端清浄表面の構造と電子状態を高分解能中低エネルギーイオン散乱(MEIS/LEIS)及び放射光励起光電子分光(SR-PES)を用い、原子層レベルで解明した(発表論文[2])。また、産業技術総合研究所(関西センター)との共同研究の下この表面に対する第一原理理論計算を行い、その構造的安定性と局所電子状態に関する貴重な情報を得た。次に、このように原子的および電子的にもよく定義された表面に数原子層(0-20ML)のNiを蒸着し、その成長過程および界面反応過程をMEIS/SR-PESにより分析した。1ML以下のNiを蒸着した表面は、特異な擬(3x1)周期構造を示した(発表論文[1])。1000℃で加熱することにより、この表面は(2√3×2√3)周期に構造転移し、さらに金属的であった電子状態も非金属的に転移した。このような特異な表面状態(表面構造・電子状態)が発現する理由を、MEIS/LEISにより決定した表面構造と電子状態の相関、および初期の(2x2)表面が果たす役割という観点から考察した。 一方、シリコンカーバイドのデバイス応用という観点から、シリコンカーバイド酸化膜中における炭素の深さ分布を核反応を用いて測定するために、京都大学において炭素同位体13Cを用いたSiCエピ成長に着手した。今後パリ第6・7大学において、酸化膜の作製と核反応による13Cの深さプロファイリングを行う予定である。
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