2004 Fiscal Year Annual Research Report
真核細胞におけるABCタンパク質のアルカロイド輸送方向決定の分子機構
Project/Area Number |
04J00405
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
士反 伸和 京都大学, 生存圏研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ABC / MDR / 輸送 / ベルベリン |
Research Abstract |
キンポウゲ科薬用植物、アキカラマツの培養細胞は生産したベルベリンを細胞外に排出する。この排出にはMDR様ABCタンパク質が関与しており、ベルベリン内向き輸送性MDR様ABCタンパク質、CjMDR1と高い相同性を有する遺伝子の単離(TmMDR1)が報告されている。本年度は第一に、TmMDR1全長の単離及び、新たな別遺伝子TmMDR2のクローニングを行った。RT-PCR、5'及び3'RACEの結果、全長約4kbからなるTmMDR1、2を得た。両遺伝子はそれぞれ1285、1286アミノ酸をコードし、その疎水性プロットの結果から、これまでのMDR様ABCタンパク質と同様に、12回の膜貫通領域と2回のATP加水分解領域をタンデムにリピートした構造を有することが予想された。両タンパク質のアミノ酸レベルの相同性は77%を示し、植物MDR様ABCタンパク質の中でもCjMDR1と最も高い相同性を示したことから、ベルベリンの輸送に関与している可能性が示唆された。またノザン解析により、その発現は培養細胞の時期及び植物ホルモンであるベンジルアデニンの添加によらず構成的な発現をしていることを明らかとした。その輸送解析を行うことを目的とし、これまでに両遺伝子を酵母及び昆虫細胞発現用ベクターに組込んだ。また、これまでに様々な化合物を輸送することが報告されているヒトMDR1を実験のコントロールとして用い、昆虫細胞を用いた輸送解析の系を確立した。
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Research Products
(1 results)