2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J00473
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坪見 博之 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Attentional Blink / Working Memory / Psychological Refractory Period / Object Substitution Masking / MT / V5 / TMS |
Research Abstract |
網膜を通じて入力される光刺激は,そのすべてがアウェアネスを形成するわけではない.マスキングや注意など,時間制約のある処理過程を経てワーキングメモリに転送された情報だけがアウェアネスとなり,ヒトの意識を形成する.本研究の目的は,この時間処理制約に関する認知モデルを脳機能とも整合性の高い形で構築することだった.そのため,(1)行動実験と(2)脳活動を抑制できる反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)による実験を行った. (1)行動実験では,Attentional Blink(AB)とPsychological Refractory Period(PRP)という,いずれも時間処理制約を反映した2つの現象が,同じ処理制約を反映するのか,異なる処理制約を反映するのかを空間的注意の観点から検討した.実験の結果,ABは感覚記憶からワーキングメモリへ情報を転送する際の処理制約であり,PRPはワーキングメモリ内の情報を操作する際の処理制約であることが明らかになった.現在はこの結果を雑誌論文として投稿する準備を行っている. (2)ワーキングメモリに情報を転送する際の処理制約を反映するABは,視覚性マスキングによって引き起こされていると言われる.そこで,rTMSを用いた研究では,Object Substitution Maskingとよばれるマスキングの脳内基盤を検討した.実験の結果,rTMSによってMT/V5の活動を阻害するとマスキングが減少することが示された.このことから,MT/V5の活動によってターゲットとマスクが同一のオブジェクトであると計算されるためにターゲット表象がマスク表象に置き換わり,それがマスキングを引き起こすと考えた.
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Involvement of V5/MT+ in object substitution masking : evidence from repetitive transcranial magnetic stimulation.2005
Author(s)
Hirose, N., Kihara, K, Tsubomi, H., Mima, T., Ueki, Y., Fukuyama, H., Osaka N.
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Journal Title
Neuroreport 16
Pages: 491-494