2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J00478
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片田 朝日 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 男性性 / ジェンダー / 相互行為 / 共同行為 / 学童クラブ / 子ども |
Research Abstract |
平成16年度は、京都市内の学童クラブでの参与観察とフィールドワークを行った。3月から4月にかけて、フィールド場所を決めるため、数多くの学童クラブを訪問し、観察を行った。結果として、従来から調査を行ってきたA学童クラブで継続して調査を行うことを決めた。 4月以降、新入1年生の男子複数名を調査対象に定め、参与観察とビデオ録画を継続して行っている。一部のデータについては、論文の作成に向けた整理を開始した。 また、すでに同学童クラブで集めたデータを論文にまとめるため、文献の購読と学習を進めた。ポスト構造主義フェミニズムの理論に基づく子どものエスノグラフイーの研究や、言語とジェンダー研究、男性学、学習理論などを幅広く学習し、「個人」単位ではなく、「文脈の中の実践」と「共同行為」によってジェンダーとその学習・身体化を捉える理論について理解を深めた。その成果の一部として、5月には「日本子ども社会学会」で、「共同行為としてのジェンダー:学童保育所のおやつ時間の注意に対する男子たちの抵抗の事例から」というタイトルのもと報告を行い、他の研究者と議論を行った。 加えて、同じおやつ時間のデータを用いて、女子についても、学年に基づく権力関係とジェンダーとがどのように影響しているかをポスト構造主義的な理論構成で議論する論文「制度的活動における主体構成とジェンダー」を準備した。これらおやつ活動を対象とする男子・女子のジェンダーと相互行為についての2本の論文を今年度投稿する予定である。
|