2004 Fiscal Year Annual Research Report
漢字文化圏における映画製作の交流史--日中韓三国を越境する映画に関する研究
Project/Area Number |
04J00526
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
韓 燕麗 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 映画 / 漢字文化圏 / 言語 |
Research Abstract |
平成16年度に申請者は計画通りに映画雑誌などの文字資料の調査や映画フィルムの発掘調査に力を入れてきた。早稲田大学演劇博物館や香港電影資料館へ何回も足を運び、史実の解明に繋がる貴重な一次文字資料の発掘・収集を行った。そこで収集した資料や映画作品に対してテクスト分析と歴史的分析の統合を行い、「トーキー移行期の中国語映画における言語と国民統合の問題--広東語映画の製作と『国防映画』をめぐって」という題でまとめた論文が、日本映像学会の学会誌『映像学』No.73に掲載された。1940年代の在米中国系住民の映画製作実態について調べるために、カリフォーニア大学ロサンゼルス分校の映画学科などにも調査してきた。そこで調べた資料を取りまとめて次号の学会誌に投稿する予定である。個人的調査と並行して、日本国内外の学会や研究会などにも積極的に参加し、研究の成果を発表しながら、各国の研究者と幅広く情報交換してきた。五月にマカオ科技大学で「跨越辺境的影像--中日電影文化交流略史」を題に発表し、その発表概要は下記のウェブ・サイトに公開されている。http://www.must.edu.mo/info/news.asp?id=42726780。六月に東京工芸大学で行なわれた日本映像学会第30回全国大会で「中国映画から香港映画へ--東アジアにおける映画製作の交流と香港映画の形成」を題に発表した。その発表概要は日本映像学会第30回大会の概要集に掲載されている。11月に福岡で行なわれた国民文化祭の一環としての、日本と香港の映画交流を記念するイベントに協力し、パンフレットに載せる「戦後の香港=日本映画交流史」の作成に協力した。その他に中国語の論文や報告として、中国大陸と香港側の学術誌、著書そして映画資料館のニュースレターに掲載されたあるいは掲載される予定のあるものが数本ある。
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Research Products
(4 results)