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2004 Fiscal Year Annual Research Report

窃視症の視覚文化史-映画前史から初期映画期における視覚メディアの露出症的構造研究

Research Project

Project/Area Number 04J00546
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

森村 麻紀  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)

Keywords映画前史 / 初期映画 / ピープショー / 露出症 / エジソン / キネトスコープ / 覗き見 / 家庭用映写機
Research Abstract

映画前史および初期映画期におけるピープショーの露出症的構造を分析するため、ポール・ゲッティ博物館、マジック・ヴィジョン博物館において現存するピープショー装置を調査し、その興行形態についてはUCLA映画学部図書館において一次・二次資料を調査した。加えて初期映画における露出症的な要素をUCLAフィルム・アーカイヴ所蔵のフィルムから分析した。また初期映画の露出症的要素を探るため、UCLA映画学部図書館所蔵の一次・二次資料を調査した。その成果の一部を「覗きの視覚文化--初期映画期を中心に」と題し発表した(日本比較文化学会関西支部例会、2005年3月5日、於:同志社大学)。本発表において、初期映画に見られる露出症的な側面は、映画前史や同時代の見世物の「覗き見構造」を継承していることを明らかにした。
1894年に、エジソンは覗き見式の映画「キネトスコープ」の商業活動を開始した。本装置は、「個人」のための見世物を提供するという点で、過去のピープショーの形態を引き継いでいた。次いで1912年に米国で家庭用映写機「エジソン・ホーム・キネトスコープ」が発売された。本家庭用映写機とそのフィルムについては以下のような調査を行い、成果を発表した。電気の史料館、早稲田大学演劇博物館およびUCLA映画学部図書館所蔵の一次・二次資料から本装置の形態や受容についての調査を行った。米国において、エジソンの家庭用映写機は、常設映画館が都市に浸透し、豪華な映画館がまさに台頭しようとする時代に登場した「個人」のための映画装置であった。そうした時代に登場したことと、装置の操作が難しかったことなどの理由で、本装置は商業的な成功は収めなかった。しかし装置のコンパクトな形態、経済的なフィルムの形態、フィルムの貸借システムは、本装置によってもたらされたものであり、本装置が1920年代に本格的に世に浸透するホームシアターの先駆けとなっていたことを「ホームシアターのゆくえ」(『電気新聞』2005年2月15、16日掲載)において示した。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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