2004 Fiscal Year Annual Research Report
砕波を伴う大気海洋相互作用の実験及び格子ボルツマン法による数値研究
Project/Area Number |
04J00599
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木原 直人 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 大気海洋相互作用 / 風波の発達 / 3次元直接数値計算 / 乱流 / 気・液界面交換過程 |
Research Abstract |
大気・海洋間の運動量・熱・物質(水蒸気)の輸送は異常気象・海象の発達を支配する.そのため,海面での交換過程を明らかにし,交換量を正確に見積もることは,気象モデル・海洋モデルの精度を向上する上で重要である. 平成16年度は,気・液界面問題へ適用できる2相流の格子ボルツマン法(LBM)の理論展開,数値モデルの構築を実施した.このモデルの特徴は,これまで2相流LBMでは困難であった密度差が大きい2流体へ適用できることである.この層流での気流と風波の相互作用を2相流格子ボルツマン法により調べ,風波の発達率を求めた. また,3次元直接数値計算により乱流状態での気流と風波の相互作用を調べた.波齢(c/μ_*)を変化させ,それぞれについて計算を実施した.この結果,風波が気流へ与える影響,及び気流中の乱流構造に与える影響は,波齢に依存していることがわかった.また,気流による風波の発達,及び物質交換への影響を明らかにした. 平成17年度は,気・液界面でのCO_2交換に影響を与える,水面直下の熱対流について調べる.この現象に3次元直接数値計算を適用することにより,熱対流の乱流構造及び物質輸送過程を明らかにする. また,以上で求めた風波による大気・海洋間での運動量・熱・物質輸送,及び熱対流による物質輸送の素過程についてモデル化を行う.モデル化した大気・海洋相互作用を,気象モデル・海洋モデル・波浪モデルのインターフェースとし,それぞれのモデルをカップリングすることにより,大気・海洋総合モデルを構築する.
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