2004 Fiscal Year Annual Research Report
不安定核RIビームによる中間エネルギー陽子弾性散乱を用いた核子密度分布の研究
Project/Area Number |
04J00623
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺嶋 知 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 不安定核 / 弾性散乱 / 密度分布 / アイソトープ / PPAC / NaI |
Research Abstract |
今年度研究計画が大幅に変更された。計画によると今年度ドイツGSIにて実験を行う予定であったが、現在資金のめどがたたないために我々のグループでは千葉県にある放射線医学総合研究所内にある重イオン加速器HIMACを用いて、不安定核陽子弾性散乱を行うことに方向を転換した。GSIで実験を行った場合と大きく異なるのはターゲット上での入射重イオンビームの位置、角度、運動量を精度良く求めるための検出器を開発することにある。そのことをふまえて今年度は検出器の開発を重点的に行った。 重イオン検出器系に関して放医研HIMACにおいてテストを行った。我々のグループでは運動量を決めるために第一焦点面に位置検出器をおく必要がある。測定条件としてはカウントレート約1MHzの環境下のもとσで1mmの分解能を必要とする。今年度はPPACにArからの二次粒子を入射した。データ収集システムのトラブルもあり十分のデータをとれなかったが、数十kHzのビームに対して95%の検出効率とσにして0.7mmの位置分解能を得た。PPACは第一焦点面に検出器として必要条件を満たしている。 反跳陽子検出器系に関しては、エネルギー検出器となるNaI(Tl)の低エネルギー陽子を用いての分解能、位置依存性のテストを京都大学タンデム加速器で行った。この測定により弾性散乱実験で必要なNaI(Tl)14本のうち12本を使用可能と判断した。二本を現在修理中である。 また相互作用理解の為に大阪大学核物理研究センターRCNPにおいて相互作用の理解を進めるためにCaアイソトープとPbアイソトープの測定を行い、解析中ではある。 また弾性散乱グループの代表としてこれまでのRCNPで行った実験の成果や今計画している不安定核研究に対して国内、国際ワークショップで口頭発表を一回ずつ、国際シンポジウムでポスター発表を一回の計三回行った。
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Research Products
(5 results)