2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J00636
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 敏史 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | アノマラスU(1)ゲージ対称性 / 超対称大統一理論 / ホリゾンタル対称性 / 余剰次元模型 / orbifold模型 / gauge-Higgs unification / 細谷機構 / ヒッグス |
Research Abstract |
我々が研究してきた、アノマリーを持つU(1)ゲージ対称性を用いた超対称大統一理論では、超対称大統一理論のほぼ全ての問題を解決することが可能である。さらに、クォーク・レプトンの世代を統一するホリゾンタル対称性を導入することにより超対称フレーバー問題も解決されうることが示された。この研究においては、大統一群を破るヒッグス場はホリゾンタル対称性の非自明な量子数を持たなかったのだが、このようなヒッグス場が非自明な量子数を持つような模型の研究を行った。ホリゾンタル対称性は高次元模型を考えると四次元有効理論にしばしば現れることが知られており、そのような場合ヒッグス場も非自明な量子数を持つことが自然であると考えられるため、そのような模型の研究は重要である。残念ながら、そのような模型においては超対称フレーバー問題は完全に解決することは困難であることが分かった。これは、我々の模型が正しいならば超対称性の破れ方に制限がつけられることを意味する。その例として、アノマリー伝播による破れのシナリオを研究している。 また、我々の模型を高次元に埋め込む研究の準備として、比較的簡単なorbifold模型の研究を進めた。細谷機構について、バルクスカラー質量の影響を調べ、超対称性がある場合のゲージ多重項に含まれるスカラー場の有効ポテンシャルの計算法を提唱した。これは、ヒッグス場をゲージ場の一部だとみなすgauge-Higgs unificationシナリオにおいて、超対称性があるときに、ヒッグス場の現象論を研究する上で重要である。また、このシナリオではヒッグス場の質量は実験の制限よりも小さくなりがちであることが知られているのだが、この質量の近似式を求め、どのような場合に重くできるかを考察した。また、E6模型や背景がwarpの場合のこのシナリオについての研究を進めている。
|
Research Products
(3 results)