2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J00652
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 ダン 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カオス / 反応拡散系 / 振幅方程式 / 結合振動子系 / 乱流 / パターン形成 / 同期 |
Research Abstract |
ソフトモード乱流と同様の発生機構を持つ化学乱流の存在を示し、その性質を解析した。 あるクラスの振動性反応拡散系を縮約して得た標準形:non-local CGL方程式から位相方程式を導出した。 この位相方程式が、Turing、Benjamin-Feir両不安定性の余次元2点近傍でNikolaevskii方程式と等価になることを示した。数値計算により、この導出過程の妥当性を確認した。 Nikolaevskii方程式は地震波のモデルとして提案され、新奇な時空カオスを生じることが示唆されていた。また、液晶対流系で観測されたソフトモード乱流と関連した議論も展開されている。反応拡散系の縮約系として導出されたことも踏まえると、Nikolaevskii方程式は普遍的現象を記述するモデルとして、その数理的性質の解明は重要である。実際、いくつかの先行研究がある。しかし、そこには矛盾点や問題点もあった。乱流揺らぎの臨界指数を明らかにすることで、これらの課題を解決した。パラメータを変化させていくと、Nikolaevskii方程式で生じるカオス状態は、Kuramoto-Sivashinskyカオスと同様な性質を呈するように連続的に推移することを示すなど、新たな課題も提示した。 上記クラスの反応拡散系の解析から派生して、結合の無い振動子群がノイズにより同期することを示した。これは、神経細胞を用いた実験で観測された同様の現象に対して、理論的基礎を与える突破口になるに違いない。
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Research Products
(3 results)