2004 Fiscal Year Annual Research Report
機能性フェノールフタレインを用いた、ジペプチド類の配列認識及び、不斉認識
Project/Area Number |
04J00778
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
楠本 友和 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 機能性フェノールフタレイン / ジペプチド / ジアステレオマー認識 / 不斉トリアミン |
Research Abstract |
機能性フェノールフタレインを用いて、Lysを含むジペプチドの配列を特異的に認識し、C末端にLysを有するジベプチドのみを呈色型認識する事に成功している。Lysを含むジペプチドのジアステレオマー間での挙動について詳細な検討を加えた所、25度においてH-Ala-Lys-OHを呈色型認識し、H-D-Ala-Lys-OHでは無色で有る事を見いだした。また、10度においてH-Ser-Lys-OH及びH-Thr-Lys-OHのジアステレオマーを厳格に区別して呈色の差として表す事を見いだした。つまり、機能性フェノールフタレインはジペプチドのLL体とDL体を厳格に区別し、呈色の差として表現する能力を有している。また、β-アミノアルコール構造を有するジアミン類において、吸収波長が長波長側へと移動した結果、フェノールフタレイン由来の呈色が赤色から青色へと変化する事が判明した。 Spermidineは代表的な生体内ポリアミンであり、細胞め増殖過程への関連が指摘され、生化学的、医薬的にも重要な化合物である。様々な誘導体が報告されているが、不斉トリアミンの簡便合成法は報告されていない。そこで、入手容易なアミノ酸を出発原料とした合成法を検討した。Z-アミノ酸メチルエステルを出発原料として、4工程で対応する臭化アリル誘導体へと導いた。ここまでの過程で、窒素のα炭素の部分ラセミ化が見られたが、2分子のこの化合物をベンジルアミンと反応させると、メソ体とdl体が生成するため、dl体は光学純品として得ることができた。次に、水素雰囲気下、パラジウムによる脱保護、不飽和結合の還元を一挙に行い、目的とする不斉トリアミン類の合成法を確立した。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Convenient preparation of optically active N,N-bis(4-substituted-4-aminobutyl)amines2005
Author(s)
Tsubaki, K, Kusumoto, T, Hayashi, N, Tanima, D, Fuji, K, Kawabata, T.
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Journal Title
Tetrahedron : Asymmetry 16
Pages: 739