2004 Fiscal Year Annual Research Report
微小空間におけるシロキサンゲル相分離構造の三次元解析
Project/Area Number |
04J00836
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金森 主祥 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / 相分離 / 有機-無機ハイブリッド / シロキサンゲル / 多孔体 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 画像解析 / 微小空間 |
Research Abstract |
相分離を伴うゾル-ゲル法を用い、様々な微小空間内における有機-無機ハイブリッド型シロキサンゲルの共連続多孔構造形成時における容器壁界面の影響について調べた。 2次元制限空間、すなわち2枚の平行ガラス基板によって制限された空間内における、メチルトリメトキシシラン(MTMS)から作製したゲルの共焦点レーザースキャン顕微鏡(LSCM)観察および3次元画像解析を行った。重縮合反応の緩慢なMTMS-ホルムアミド(FA)系(MF系と略す)から作製したゲルの場合は、局所構造解析により、相分離後期の流体力学的粗大化時におけるシロキサンリッチ相の鋳型界面への濡れが、得られる相分離構造に大きな影響を与えると結論された。また、より重縮合反応の急峻なMTMS-メタノール(MeOH)系(MM系と略す)では、濡れが十分に進行し、最も安定な構造に転移する前に構造が凍結されるため、構造変形が著しく抑制されることが明らかとなった。また、基板表面を疎水化することにより、濡れの駆動力として疎水性相互作用の影響も加わるため、より変形が大きくなることが明らかとなった。 1次元制限空間、すなわち円筒状キャピラリーや、ガラスチップ上に微細加工された矩形断面の溝中での構造変化について検討したところ、MF系においては、鋳型表面の親水性・疎水性にかかわらず、バルクの周期長が鋳型のサイズよりも長くなると、完全に濡れる、いわゆる「濡れ転移」が観察された。MM系では、前述のように重縮合反応が急峻なため、MF系よりも流体力学的な変形および濡れ転移は抑制される一方、鋳型界面の化学的性質の影響を受けやすくなることが明らかとなった。また、矩形溝中では、共連続構造から柱状構造への鋭い転移、すなわち「ウェブ-ピラー転移」が見出された。
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Research Products
(5 results)