2004 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス後肥厚に局在するタンパク質のプロテオミクス
Project/Area Number |
04J00878
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 康信 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | プロテオミクス / シナプス後肥厚 / Postsynaptic Density(PSD) / PRR7 |
Research Abstract |
後シナプスの膜上および膜直下には、NMDA受容体などのイオンチャネル・受容体、PSD-95に代表される足場タンパク質に加えて、細胞骨格系やシグナル伝達系のタンパク質までもが高密度に集積して、Postsynaptic Density(シナプス後膜肥厚、PSD)と呼ばれる一種のタンパク質複合体を形成している。神経伝達に関わるタンパク質の同定を目的として、ラット前脳から生化学的手法によって精製したPSP画分のプロテオーム解析を行い、現在までに300を超えるタンパク質を同定している。そこには機能未知のタンパク質も約30個含まれており、なかでもPSD画分への濃縮の程度、既知タンパク質との相同性、配列の新規性などの点において最も特徴的であった、プロリンリッチ配列を有する膜タンパク質PRR7(proline rich 7)に注目して、その機能解析を行った。PRR7は、既知タンパク質に対して相同性を示さず、またアミノ酸配列からも非常に特徴的な二次構造を有することが予測された。抗体を用いた生化学的な機能解析によってPRR7は、界面活性剤に対して強い不溶性を示す典型的なPSDタンパク質であることを示した。また、その発現は大脳と海馬においてのみ確認され、生後の神経発達に伴って増加すること、またラット海馬神経細胞内においてPSD-95と共局在することが確認された。免疫沈降実験から、NMDA受容体のサブユニットNR1およびNR2Bとの相互作用が、そしてGSTプルダウンアッセイから、PSD-95のPDZ3ドメインを介した相互作用が、それぞれ明らかとなった。新規PSDタンパク質PRR7の同定、そして局在および相互作用の解析結果は、Biochemical and Biophysical Research Communications誌に報告した。
|
Research Products
(1 results)