2004 Fiscal Year Annual Research Report
核内でmRNAとして識別され、mRNA核外輸送の機能を担うシス配列の探索
Project/Area Number |
04J00891
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増山 郁 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | mRNA / 核外輸送 / RNAプロセシング / U snRNA / 輸送因子 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
真核細胞はRNA合成の場である核が核膜によって細胞質から隔てられている。核ゲノムには多様な種類のRNAがコードされているが、多くのRNA種は細胞質で機能するため、転写後にRNAは核外へ輸送される必要がある。近年の研究から、異なるRNA種は固有の輸送因子によって異なる機構によって核外輸送されることが明らかになってきた。しかし如何にして異なる種類のRNAを識別しているのか、という問題に関しては不明な点が多い。 そこで本研究では、核外輸送機構を規定するRNA上の特徴を探索することにより、上記の問題の解明に取り組んだ。具体的には、RNAの長さが輸送機構の決定に関与しているかどうか、アフリカツメガエル卵母細胞へのRNAの微量注入系を用いて実験を行った。その結果RNAの長さが核外輸送機構を規定するひとつの特徴であり、長いRNAはmRNAの輸送機構で輸送されることが明らかになった。次に、その分子機構を解明する目的で、長いRNAに結合している因子の包括的な探索を試みた。UVクロスリンク実験と免疫沈降実験法をもちいた結果から、SRタンパク質と呼ばれる一群のRNA結合タンパク質が長いRNA上には効率よく結合していることが明らかになった。さらに、SRタンパク質のRNAの核外輸送における役割を調べたところ、mRNAの核外輸送に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)