2004 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングを利用した野生生物ハビタットモデリングとその緑地計画への応用
Project/Area Number |
04J00945
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
橋本 啓史 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ハビタットモデル / リモートセンシング / レーザースキャナ / 地上高分解能衛星画像 / 植生図 / 森林群落階層構造 / 鳥類 / 地理情報システム |
Research Abstract |
都市緑地に生息する野生生物の中で特に鳥類を取り上げ、リモートセンシング・データを利用してその生息環境を評価するための新たな手法を開発するための研究をおこなった。また、評価対象地の鳥類相データを取得するため、京都市内の3か所の緑地でラインセンサス法による鳥類調査をおこなった。 鳥類の生息環境評価に有用な植生図作成手法を開発するため、今年度は特にレーザースキャナ法による森林群落の垂直構造推定手法の検討を行った。2003年1月(落葉期)に取得した既存のレーザースキャナ・データから森林の断面図を描き、鳥類の生息環境評価によく用いられる森林階層多様度指数などを算出した。そのままのレーザースキャナ・データのみでは密な樹冠下にレーザー光が届く確率が著しく低いために下層植生を過小評価してしまうことになるが、樹冠下のデータの簡便な補間法を新たに提案し、比較的高い精度で森林群落階層構造に関する指数を推定することが出来るようになった。さらに航空機レーザースキャナ法による下層植生の検出能力を詳細に検討するために、地上レーザースキャナ法による現地データも名古屋大学の協力を得て取得した。 鳥類の種多様性は植生の群落構造だけでなく、樹種の多様度とも関係する。そこで、2003年秋(紅葉期)に既取得の地上高分解能衛星画像であるクイックバード画像を用いて、局所最大値フィルタ法による樹頂部抽出と樹頂部周囲の4バンドの輝度特性からのクラスター分析によって局所的な林冠樹種多様度の推定する方法を検討した。 中程度の地上分解能衛星画像であるTerra/ASTER画像から作成した京都市街地の緑被率地図を用いて、樹林性鳥類の季節移動時の飛び石状コリドーという観点から緑地のネットワークを評価した。また、復元型ビオトープにおける鳥類相の初期遷移と緑地のネットワークとの関係についても分析をおこなった。
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Research Products
(3 results)