2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋細胞が分泌するパラクリン因子による脂肪細胞分化調節機構の解明
Project/Area Number |
04J00958
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平井 静 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 筋細胞 / 脂肪細胞 / パラクリン因子 |
Research Abstract |
<筋細胞および脂肪細胞の分化に伴うアクチビン、フォリスタチン、およびアクチビンレセプターの発現変化> 筋芽細胞のモデルとしてC_2C_<12>筋芽細胞を、脂肪前駆細胞のモデルとして3T3-L1脂肪前駆細胞をそれぞれ成熟な筋細胞および脂肪細胞まで分化させ、その過程で細胞を経日的に回収してRNA抽出を行い、RT-PCR法により分化に伴うアクチビン、フォリスタチンおよびアクチビンレセプターmRNA発現の変化を検討した。アクチビン、フォリスタチン、およびアクチビン1型レセプターは分化誘導後発現が減少したが、アクチビン2型レセプターは分化に伴う変化は認められなかった。このことにより、アクチビンは主に脂肪細胞の分化前に発現しその分化を抑制するが、その作用は分化の進行に伴い減少していくことが示唆された。 <アクチビンによる脂肪前駆細胞分化抑制のメカニズムの解明> アクチビンが脂肪前駆細胞の分化を抑制する作用点を明らかにするため、まず、アクチビン添加時でのC/EBPβタンパク質の発現の変化をWestern blot analysisにより検討したところ、C/EBPβタンパク質の発現はmRNA発現同様、アクチビン処理の影響を受けなかった。従ってアクチビンがC/EBPβ発現に影響を及ぼさずにその下流で発現するPPARγおよびC/EBPα発現を低下させることより、アクチビンはC/EBPβの転写活性およびDNA結合能に影響を及ぼしている可能性が考えられた。そこでGel shift assayを行い、C/EBPβのDNA結合能を検討したところ、アクチビンによってC/EBPβのDNA結合能が低下していることがわかった。現在は、Reporter Assayを行いアクチビンによるC/EBPβの転写活性の低下について検討するとともに、脂肪前駆細胞の分化後期においてもアクチビンがC/EBPβの作用に影響を及ぼしているのかということについて検討を進めている。
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