2005 Fiscal Year Annual Research Report
運動時のエネルギー代謝調節における骨格筋AMPキナーゼの意義に関する研究
Project/Area Number |
04J00973
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
豊田 太郎 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 骨格筋 / 運動 / 糖輸送 / AMPキナーゼ / 収縮筋 / シグナル伝達 / エネルギー代謝 / 低強度 |
Research Abstract |
運動による骨格筋5'AMP-activated protein kinase (AMPK)活性化はエネルギー代謝調節に関与することが示唆されている。AMPKは構成サブユニットによって活性化条件が異なることが報告されているが、生理作用の違いは明らかでない。本研究の目的はAMPKのアイソフォームを区別した上での活性調節機構・生理作用を明らかにすることである。具体的にはラット骨格筋にプラスミド局所注射法によってAMPK触媒サブユニット(αサブユニット)あるいはその変異体を導入し、後天的に骨格筋AMPK活性を亢進あるいは抑制し、筋収縮時のエネルギー代謝調節をどのように変化させるかを検討する。 AMPKα2活性を選択的に増強させた筋、AMPKα1活性を選択的に増強させた筋、AMPK活性を抑制した筋の作成をFujii Nらの方法(Am J Physiol Cell Physiol. 2004 Jul;287(1):C200-8)に準じ、前脛骨筋にプラスミドを局所注入した後電気穿孔法を行い、目的のαサブユニットの安定した発現が得られるよう検討した。また、電気生理学的手段を用いてαサブユニットをアイソフォーム別に活性化させる条件を検討し、これを用いエネルギー状態の低下を認めない程度の筋収縮(低強度筋収縮)はAMPKα1を活性化するがAMPKα2を活性化しないことを明らかにした。この結果は、「運動強度の増加に伴ってまずAMPKα2が活性化され、強度が上がるとAMPKα1も活性化される、つまりα2からα1の順に活性化される」と考えられてきた従来の順序と逆である。このような「逆転」をきたす理由として、我々は、骨格筋を生体から解剖・単離した直後にはAMPKα1が顕著に活性化されており、クレブス緩衝液中でインキュベートすることで低下し安定化することを見出した。
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Research Products
(1 results)