2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J00974
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松村 成暢 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中枢性疲労 / サイトカイン / 運動 / 視床下部 |
Research Abstract |
これまで運動により脳内で活性型のTGF-βが増大し、それが疲労感の発生に関与することを明らかとなっている。また、脳内にTGF-βを投与すると運動後のそれとよく似たエネルギー代謝や脳波の変化がおこること、(運動後にみられるような甘味に対する嗜好性が増大することが明らかとなっている。 動物は運動以外にも様々なストレスを受けることにより疲労を感じることがある。運動は肉体的なストレスであると、とらえることができるとともに精神的なストレスでもある。そこで、実際どのようなストレスによりTGF-βが活性化されるのかを、TGF-β応答性プロモーターによるルシフェラーゼレポーターアッセイを利用して活性型TGF-βの定量を行った。 絶食によりTGF-βの増大がみられたことから、血中や組織のエネルギー状態の低下がTGF-βを増大させる要因の一つであることが明らかとなった。しかし、絶食により自発行動量に変化がみられなかった。これはTGF-βによる疲労感の発生より餌を探す行動が優先されたと考えられる。また、疑似ウイルス感染モデル動物においてもTGF-βの増大がみられ、ウイルス感染時の疲労感にもTGF-βが関与していることが明らかとなった。この他にも精神的苦痛を伴わない運動である筋電気刺激や精神的なストレスモデルである拘束によってもTGF-βが増大することが明らかとなった。以上の結果よりTGF-βは運動以外にも様々な肉体的、精神的ストレスにより増大し疲労感を引き起こしていることが示唆された。
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