2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J01036
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
嶋田 珠巳 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アイルランド英語 / 文法記述 / クレオール / 言語変化 / 言語意識調査 / 言語とアイデンティティ / フィールドワーク / 統語法 |
Research Abstract |
(1)平成18年度4月には、アイルランド英語の主要な特徴の一つであるdo be形式の形成とその現代的諸相の観察についての考察をまとめ、論文The ‘do be'form in contemporary Hiberno-English : An implication for grammatical transformationsとしてTRANS 16にて公表した。(2)5月の日本英文学会に於いて、「アイルランド英語の形態・統語法的諸特徴-John B.Keane(1928-2002)の言語をもとに-」という題目で口頭発表し、その内容は本年度9月大会プロシーディングスに掲載された。(3)平成18年度7月にはリムリック大学に於ける学会Sociolinguistic Symposium 16にてAwareness of ‘Standard' and‘Irishness':Motives for change in contemporary Hiberno-Englishという題目のもとで口頭発表を行った。当該言語話者がもっている言語意識について、これまでに行った言語調査とアンケート調査を踏まえた例証を行った。(4)本年度秋期には、言語と民族言語的アイデンティティの観点からアイルランド英語の役割を論じ、語彙および文法特徴についてアイルランド英語の混成性に関する考察をまとめた論文"Irishness" in Hiberno-English : Linguistic hybridism and ethnolinguistic identityをEric A.Anchimbe編Linguistic identity in postcolonial spaces(近刊)に寄稿した。(5)本年度冬期には、アイルランド英語のテンス・アスペクトに関する現地での言語調査を踏まえた記述をまとめた。さらにその諸特徴について言語話者の意識との関連を明らかにし、文法の可変性と不変性に関する考察の一助としている。この内容は平成19年度6月キプロス大学に於けるThe International Conference on Language Variation in Europe 4にて口頭発表の予定である。上記の内容はアイルランド南西部におけるフィールドワークに基づくものであり、平成18年度はとくにアイルランド英語のクレオール的特質の追究と文法変化における当該言語話者の意識の役割に重点を置いた研究を行った。
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Research Products
(3 results)