2004 Fiscal Year Annual Research Report
近現代香港社会における住民アイデンティティ形成に関する歴史社会学的研究
Project/Area Number |
04J01037
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黄 子育 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 香港 / 住民意識 / 社会意識 / アイデンティティ / 社会運動 / 変革 / 左派 / 日常生活 |
Research Abstract |
2004年に三ヶ月ほど、調査の対象地である香港に滞在し、それに基づき、主に以下の研究実績を取得した。 まず、聞き取り調査のデータをもとに、戦後香港労働者の生活・労働の様態と意識分析を内容とする論文を書いた。この論文は、第二次大戦後香港の工業化が始まった時期の香港住民の意識の実態を、かれらの日常生活・労働・住居を考察することによって捉えてみた。この分析は、社会変動期の社会意識の変容に注目するだけでなく、社会運動における人々の参加意識をどのように理解すべきかという問題提起もしている。この論文は『ソシオロジ』2005年5月出版の153号に掲載される予定である。 それから、2003年から2005年までの香港の政治情勢を分析し、現在の香港社会運動を歴史社会学的視点で理解する必要があるとの議論をHow Can Localization Conflict with Globalization? In Case of Hong Kong's Democracy Movementsというタイトルで2005年4月29日にCanadian Council of Area Studies Learned Societiesで口頭発表させてもらうことになった。そのあと、論文として香港大学のHong Kong Institute of Asia-pacific Studiesの研究誌に投稿する予定である。 また、2005年1月から、香港の左派教育に関する香港大学の研究チームに参加させてもらった。私は、左派教育と香港人アイデンティティ形成の関係の部分を担当している。2月まで、20世紀初頭から60年代までの、学校の機関紙や、新聞、政府の教育条例など、香港の華僑教育、左派教育に関する一時史料の整理がほぼ完成したので、次に、それを比較分析し、左派学校の学生と教諭にインタビューを行いながら、学校の活動や、左派団体と学校の関係などを把握し、左派教育と香港人アイデンティティ形成の関係を分析していく。
|
Research Products
(1 results)