2005 Fiscal Year Annual Research Report
ホームレス男女の生成過程、社会関係についてのジェンダー分析と自立支援
Project/Area Number |
04J01038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸山 里美 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ホームレス / ジェンダー / 福祉国家 / 貧困 / 都市 / 公共性 / 共同性 |
Research Abstract |
90年代以降、日本の大都市でもホームレスの姿が目立つようになってきている。最近では、都市における公共空間の占有をめぐる排除の動きが加速化してきている。こうした状況を踏まえ、日本よりもジェントリフィケーションが先行するニューヨークの都市と公共性について行われたインタビューを訳出した(「公共性のために」)。 日本のホームレスについては、欧米の都市とは人口構成が大きく異なっており、その多くが高齢の男性で占められている。こうしたジェンダー的特徴について、それを生み出す日本の社会福祉制度の整理を行い、共同報告("The Status of Self-Reliance and Housing Support for Homeless Women in Tokyo"、The Asia-Pacific Network for Housing Research、於:神戸大学、2005年9月8日)を行った。こうした福祉制度には一定の自立観が内包されている。こうした視点から制度とそれをめぐる研究を整理し報告を行ったのが「社会福祉からの排除と女性の自己決定」である(日本社会学会、於・法政大学、2005年10月24日)。これらを踏まえたホームレスの自立支援のあり方については、「ホームレスの人々の生活再建における中間居住施設の役割と安定居住の課題」(日本福祉のまちづくり学会、於・千葉ホール、2005年8月25日)で共同報告を行った。 女性ホームレスへのインタビューと生活実態の調査も以前から継続して行っているが、こうした調査に基づき、既存の男性を中心とするホームレス研究がなぜ女性を見落としてしまったのかを理論的に検討し、既存の研究の中にジェンダー的視角を位置づけることをめざしたものが、「野宿者の抵抗と主体性」である。「数々の脱出をつなぎあわせて」では、この成果の一部を発展させ、マルチチュードをめぐる議論の中に位置づけた。
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Research Products
(3 results)