2005 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代の都市システム-政府・企業・市民社会組織の関係性から-
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04J01039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
埴淵 知哉 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | NGO / NPO / 都市システム / 地域資源 / 国際協力 / 東京一極集中 |
Research Abstract |
本年度は,特定非営利活動法人(NPO法人)の日本国内における定量的な立地分析と,国際協力活動を行なうNGOの地元地域におけるローカルな活動・役割の解明の二点を課題として研究を進めた。 前者に関しては,福祉やまちづくり,環境保全など様々な課題に取り組むNPO法人の重要性の増大に鑑み,その地理的な諸特性を明らかにするための基礎研究として,NPO法人の立地展開およびその経年変化を定量的に分析するものである。従来,資料の制約によって都道府県別の地域差が指摘されるにとどまっていた当該分野に対して,本研究では個々のNPO法人をデータベース化し市町村レベルで集計することで,詳細な地理的分布を把握した。その結果,NPO法人の分布は都市規模によって偏在傾向がみられること,財政規模の大きな団体ほど不均等分布が強まること,活動分野によって分布傾向に違いが存在することなどが明らかになった。また,事務所立地を指標とした地域間関係を分析した結果,その結合関係は垂直的・近接的に展開していることも示された。 後者に関しては,主として海外での国際協力活動を目的とするNGOが,国内の地元地域とどのように関わるのかを,インタビュー調査を通じて明らかにするものである。その結果,NGOは地域を通じて資金や人材を獲得するだけでなく,ローカルな知識や技術,経験などを活動に応用していることが,様々な個別事例を通じて示された。また,そのような地域における活動を海外での国際協力と結びつけることで,日本国内の市民に対する様々な問いかけや働きかけも意図されており,結果として双方向的・継続的な活動が可能となっていることも明らかになった。
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Research Products
(1 results)