2005 Fiscal Year Annual Research Report
「真正の評価」論の成立過程の解明と、評価に焦点化した実践分析の枠組みの確立
Project/Area Number |
04J01041
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 貴広 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 教育評価 / カリキュラム設計 / アクション・リサーチ / 「真正の評価」 / 「逆向き設計」 / 授業研究 / 「看破」学習 / 単元設計 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,G.ウィギンズが提唱した「真正の評価」論がどのような教育方法を前提に成り立つものであったか,探究を続けた。その成果については,日本カリキュラム学会で報告している(「G.ウィギンズの『看破』学習と『螺旋型カリキュラム』」日本カリキュラム学会 第16回大会 自由研究発表,2005年6月18日,東京学芸大学)。 10月に米国サンフランシスコで開催されたASCD Conference on Teaching and Learningでウィギンズらのワークショップに参加するなどして,最新の教育評価実践に触れた。この前後で,「真正の評価」論成立を支えたエッセンシャル・スクール連盟の実践に関する情報収集を進めた。具体的には,先行研究者であるリンダ・ダーリン=ハモンド(スタンフォード大学教授)に調査方法等についてインタビュー調査を行った上で,連盟の拠点校であるリーダーシップ高校(サンフランシスコ市)を訪問して授業と職員研修を参観し,さらに連盟本部事務所(オークランド市)で資料収集を行った。 この調査で得られたものは,評価を軸にした実践分析の枠組み作りに活かされ,例えば,京都市内の小学校でのアクション・リサーチにより,学習指導案の形態が単元設計の方法に与える影響を浮き彫りにし,総括的評価計画の欠如による形成的評価の喪失という問題を明らかにしている。また,OECD-PISAやIEA-TIMSSといった既存の学力調査の検討も進めており,その評価の枠組みを参照した実践研究も進めている、これらの成果については,来年度発表する予定である。
|
Research Products
(2 results)