2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J01052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋山 高志 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 組織間関係 / 組織学習 / 組織間学習 / 社会関係資本 / 組織間ネットワーク / 組織間信頼 / リーダーシップ / 品質管理 |
Research Abstract |
当該研究課題の目的は、日本の企業グループ(系列)における組織間学習(intra- or inter-organizational learning)の促進要因を、学習のレベルで分類した下で検討することである。これにより、イノベーションの実現メカニズムを明らかにすることを意図する。 当該目的の下、平成16年度は、その前半期において、プレハブ住宅メーカーS社の施工体制を対象に、組織間信頼が組織間学習に与える影響を考察した。この結果、組織間関係において、低次学習であるシングルループ学習は「善意に基づく信頼」がそれを促進し、高次学習であるダブルループ学習は促進要因を一概に特定できず、状況適合的に促進されることが確認できた。当該結果は、2004年度組織学会研究発表大会などにおいて報告した。 平成16年度後半期は、前半期の結果を踏まえ、組織間学習の促進要因を組織間信頼に限定することなく、組織間信頼を醸成するネットワーク特性にまで遡り、再検討することにした。これに当たっては、上記と同様にプレハブ住宅メーカーS社の施工体制を対象に、管理能力(経営管理能力、品質管理能力、工程管理能力)の日々の向上をシングルループ学習として把握し、また、新築現場ゴミ・ゼロ・エミッションを環境保全を目的とする新しい視点からの活動として捉え、その達成をダブルループ学習の事例として把握することにした。この結果、組織間関係において、シングルループ学習を促進するのは「強い紐帯の強み」として考えられるネットワークの閉鎖性(closure)であり、一方、ダブルループ学習を促進するのは「弱い紐帯の強み」として考えられるネットワークの仲介性(brokerage)と「強い紐帯の強み」として考えられるネットワークの閉鎖性(closure)の両者であることが確認できた。当該結果は、2005年度の第21回建築生産シンポジウムにおいて報告する。
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Research Products
(2 results)