2004 Fiscal Year Annual Research Report
アフィン代数多様体上の局所ワイル加群・フュージョン積の研究
Project/Area Number |
04J01089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑原 敏郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 組み合わせ論的表現論 / 対称群 / 余不変代数 / 無限次元リー代数 / ワイル加群 |
Research Abstract |
特異点を持たない代数曲線上の対称余不変代数については以前からよく知られた代数であり,自然に対称群の表現としての構造を持つ.本研究課題で研究する対称余不変代数はその(特異点を許した)一般の代数多様体への一般化であり,他に特異点を持たない代数曲線上の場合におけるHaimanの結果が知られている.本年度の研究において,単純二重点を持つ代数曲線の場合においてその特異点における対称余不変代数の対称群の表現としての構造を決定し,その結果として局所ワイル加群と呼ばれる無限次元リー代数の表現の構造を単純二重点を持つ代数曲線上の場合に決定した.また被約でない代数多様体の場合にも点がd重に重なった場合について同様に対称余不変代数の構造を得た. この研究で用いた手法は対称余不変代数に自然に定義される次数に関する次数付き加群としての構造を決定することにも応用できるはずである.しかし次数付き加群としての構造には単純な表現としての構造の場合にはあらわれるような組み合わせ論的によい性質が未だに見つかっていないため,完全な結果は今後の課題として残されている. これらの結果は,本年度の日本数学会秋季総合分科会および,研究集会「21COE RIMS Research Project 2004 Quantum Integrable Systems and Infinite Dimensional Algebras」,「表現論における組合せ論的手法とその応用」において発表を行なったほか,論文を「Jornal of Algebra」に投稿中である.
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