2005 Fiscal Year Annual Research Report
アフィン代数多様体上の局所ワイル加群・フュージョン積の研究
Project/Area Number |
04J01089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑原 敏郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シンプレクティック鏡映代数 / 二重アフィンヘッケ環 / 箙多様体 / マクドナルド多項式 |
Research Abstract |
2002年におけるI.Gordonの研究は対称余不変代数と対称群に対するシンプレクティック鏡映代数の表現との関係とを明らかにしたが,彼はJ.T.Staffordとともに2004年に行なった研究においてシンプレクティック鏡映代数と二次元アフィン空間上のn点のHilbert schemeとの関係を発見し自らの2002年の研究をM.Haimanによる点のHilbert schemeと対称余不変代数の研究に直接結びつける事でシンプレクティック鏡映代数がこの分野において重要な役割を果たす事を明らかにした.一方でM.Haimanの研究が点のHilbert schemeとMacdonald多項式との関係を明らかにした事からも示唆されるとおり,彼らの研究はまたシンプレクティック鏡映代数とMacdonald多項式に関する興味深い結果を明らかにしている.本年度の研究においては彼らの結果を対称群以外の場合に対して拡張しようという試みから比較的簡単な場合である巡回群の場合に対してシンプレクティック鏡映代数の標準加群と呼ばれる特別な加群に対して特性サイクルを計算する事を行なった.この結果については現在研究成果を論文にまとめているところである.またこの研究に関する個人的な議論からI.Gordon, R.Vale, K.Brownらと共同研究を行なう事となった. 上記の研究成果については2月に京都大学で行なわれた「京大数理研&数学教室-ソウル大学数学教室 若手数学者交流会」におけるポスターセッショッンで発表したほか,3月にモスクワ独立大学で行われた非公式なワークショップなどで発表を行なった.また,前年度投稿した論文は「Jornal of Algebra」に掲載された.
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