2006 Fiscal Year Annual Research Report
アフィン代数多様体上の局所ワイル加群・フュージョン積の研究
Project/Area Number |
04J01089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑原 敏郎 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | symplectic reflection algebra / 最高ウェイト圏 / 箙多様体 / 非可換幾何 |
Research Abstract |
位数lの巡回群に関するsymplectic reflection algebra (rational Cherednik algebra) Hκの表現論とA_<l-1>(1)型で2次元の箙多様体M8(これは代数多様体としてはA型クライン特異点の極小特異点解消に一致する)の幾何との関係を研究している. シフト関手と呼ばれる蓄symplectic reflection algebraの加群の圏の間のパラメタをシフトする関手とspherical部分代数とよばれるsymplectic reflection algebraの部分代数の組はある意味で箙多様体の非可換化とみなす事ができる.この事から,symplectic reflection algebraの圏Oと呼ばれる加群の圏の部分圏から箙多様体上の連接層の圏への関手が構成できる. さらに最高ウェイト圏である圏Οの構造と箙多様体の幾何的構造やそれに関係する箙の表現論的構造との間の関係にまで踏み込んで考える事が重要な問題になりうる.現在の研究の中心的問題は自然な加群eoHκ(ここでeoは巡回群の対称巾等元)の,この関手による像が箙多様体のtautological束と呼ぼれる特別なベクトル束になることの証明である.tautological束は各点においてそのファイバーがその点の表す簸の表現になるようなベクトル束であるので,この事実はsymplectic reflection algebraの表現論と箙の表現論,そして箙多様体の幾何との密接な関係を表している.また,そこから標準加群と呼ばれるOの最高ウェイト圏としての構造に重要な対象のM_0の上での特性サイクルの計算ができる.前年度において一度は標準加群の特性サイクルの計算が完了したと考えていたが証明の一部に誤りがある事を共同研究者のI.Gordon氏から指摘され,再考の結果上の形の予想を立てた.現在予想の証明に取り組んでいるが,証明の完了まであと一歩というところまできており,まもなく満足のいく形で研究の区切りがつけられるものと考えている.
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