2004 Fiscal Year Annual Research Report
大型冷中性子干渉計の開発とそれを使用した物質波と重力相互作用の研究
Project/Area Number |
04J01116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹谷 薫 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 中性子干渉計 / 干渉光学 / 物質波 / 重力相互作用 |
Research Abstract |
重力相互作用に起因する物質波の位相のずれは用いる物質波の波長と干渉計の大きさに比例する。そこで、大型冷中性子干渉計を開発し重力と中性子の相互作用を精密に測定することを目的として研究を進めている。 本年度にMach-Zehnder型大型冷中性子干渉計の試作機をテストしたものの不十分なコントラストしか得られなかった。そこで製作誤差に起因する干渉計の二経路のずれを磁場勾配と磁気複屈折を用いて補正することを考え、その実証実験を行った。 まず、3.6G/cmの磁場勾配を持つ四重極磁石に中性子を通し60nradの交差角をつけた。二経路が交差角を持つ場合その交差角の大きさに逆比例する間隔のモアレ縞が生ずることが知られおり、期待どおりの間隔のモアレ縞を測定することに成功した。 つぎに、性質の良く知られているJamin型冷中性子干渉計において片方のミラーを傾けることで干渉計の二経路を意図的に60nm平行移動し、干渉縞のコントラストを60%から32%にまで低下させた。その後、Jamin型干渉計の下流に3.6G/cmの磁場勾配を持つ四重極磁石ふたつを500mm離して置くことで二経路を60nm平行移動させた。すると干渉縞のコントラストを32%から60%まで完全に回復することに成功した。 同様の実験を磁気複屈折についても行いモアレ縞の観測に成功した。 以上の研究をまとめて日本物理学会と日本中性子科学会において報告を行った。
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