2005 Fiscal Year Annual Research Report
荷電粒子・中性粒子・塵粒子を含む電磁流体力学の定式化と原始惑星系円盤の進化の研究
Project/Area Number |
04J01126
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
道越 秀吾 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 惑星形成 / 原始惑星系円盤 / 微惑星 / ケルビンヘルムホルツ不安定 / 乱流 / ダストプラズマ / MHD / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は、微惑星形成過程の詳細を明らかにすることである。惑星形成の標準モデルでは、微惑星形成は、原始惑星系円盤中のダストが赤道面に沈澱し高密度ダスト層となり、この層が重力不安定状態となって分裂しできたと考えられている。しかし、ダストが沈澱するに連れて、速度シアが生じ、結果としてケルビン・ヘルムホルツ不安定が起きるのではないかと指摘されている。流体不安定が引き起こされれば、乱流状態となりダスト層がかき乱されて、高密度状態になるまでの沈澱は困難である。そこで、ケルビン・ヘルムホルツ不安定が起きるのか、乱流状態のときにダストはどのような運動をするのか、この2点を詳細に調べなくてはならない。 平成17年度は、原始惑星系円盤の高密度ダスト層におけるケルビン・ヘルムホルツ不安定の圧縮性効果についての研究と、乱流状態となっている円盤中のダスト運動の統計的性質についてシミュレーションを行い詳細に調べた。 前年度の研究成果である「ケルビン・ヘルムホルツ不安定の2流体解析」をより一般的な状況へ拡張するために、これまではガスを非圧縮流体としていたが、それを圧縮性流体へと一般化した。ダストの効果によって不安定が抑制される可能性があることを始めて示した。しかし、惑星形成の問題に結果を適用すると、重力不安定を起こす前にケルビン・ヘルムホルツ不安定が発生し乱流が起きることが明らかとなった。 そこで、平成16年度に引き続き、乱流中のダストの運動について研究した。前年度には、乱流中のダストの運動を統計的に取り扱い、速度分散や拡散係数に関する公式を解析的に導出した。平成17年度は、乱流中のダストの運動を数値シミュレーションで調べて、これらの公式の正当性を検証した。その結果、これらの公式は、非常によく乱流中のダストの統計量を説明することが分かった。
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Research Products
(1 results)