2004 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導体の臨界相境界近傍における固有トンネル特性に関する研究
Project/Area Number |
04J01151
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 義春 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高温超伝導 / 固有ジョセフソン接合 / 微小構造 / 不均一超伝導状態 |
Research Abstract |
Bi系高温超伝導体の結晶構造自体に内包される固有ジョセフソン接合のエレクトロニクス応用を最終的な目標として現在、基礎的な特性をしらべるために不足ドープ領域の特性を詳しく研究している。Bi_2Sr_2CaCu_2O_8+δ(Bi2212)の不足ドープ状態を実現するためにSrの一部をLaに置換して実験を行っている。これまでに、Bi2212にこのような元素置換を行うと置換された元素は不均一に分布してしまうことが分かっている。しかし、微細加工技術を用いでメサ構造を作製し、微小な領域を測定すれば置換された元素が均一な部分を抽出し、純粋な不足ドープ領域の特性を調べることができる。このようにして不足ドープの試料のトンネルスペクトルを測定し、その結果から超伝導状態そのものがよりミクロなスケールで本質的に不均一になっている可能性が高いことを明らかにした。 しかし、微小メサ構造では微小領域を測定することができるが、c軸特性のみしか測定することができない。そこで今後、微小構造による面内抵抗率やホール係数の測定、そしてさらに固有ジョセフソン接合を用いた微小ジョセフソン素子集積三次元回路構成の前準備としてヘキ開単結晶薄膜の作製技術の開発に取り組んだ。具体的には、単結晶表面にイオンミリングを用いてメサ構造を作製し、そのメサ部分のみをヘキ開によって切り出す手法である。現在、両面ヘキ開によって単結晶薄膜を作製する方法をある程度確立することに成功し、これにさらに微細加工を施した試料によって不足ドープのBi2212の面内定効率、ホール係数などの輸送特性を測定することを可能にした。
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Research Products
(1 results)