2004 Fiscal Year Annual Research Report
次世代超小型・高機能衛星のためのマイクロプラズマスラスタの研究開発
Project/Area Number |
04J01160
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鷹尾 祥典 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロスラスタ / ナノサテライト / マイクロプラズマ / マイクロ波プラズマ / マイクロノズル / 電気推進 / シミュレーション / プラズマ診断 |
Research Abstract |
マイクロ波励起マイクロプラズマスラスタについて,数値計算を用いた推進性能解析,および発光分光法と静電プローブ計測を用いたマイクロプラズマ源の診断を行った.本研究で提案するマイクロスラスタは,作動ガスをアルゴンとし,内径1-2mm・長さ10mmの誘電体容器とそれを覆う金属からなる同軸型マイクロプラズマ源と,プラズマ源で生成された熱プラズマを運動エネルギーに変換する,スロート径0.2mm・長さ1-2mmの円錐型マイクロノズルからなる電熱加速型推進機である. 数値解析にはプラズマ,電磁界,流体の3つの系を考慮したモデルを構築した.解析の結果,(1)マイクロ波周波数と誘電体比誘電率が高いほどプラズマ生成が効率的,(2)マイクロノズルでは境界層がノズル断面の特性長と同程度となり境界層構造の理解と制御が重要,(3)マイクロ波電力<10Wにおいて推力2.3-3.5mN,比推力130-180s程度,であることがわかった.この推進性能から,本マイクロプラズマスラスタが超小型衛星(<10kg)の軌道制御に適用できると期待できる. プラズマ診断には,先端に0.4mm径のオリフィスを持つ,内径1.5mm・長さ10mmのマイクロプラズマ源を試作し,周波数2および4GHz(<10W)のマイクロ波,比誘電率が6と12-25の誘電体を用いてアルゴンプラズマを生成して行った.実験の結果,(i)マイクロ波周波数と誘電体比誘電率が高いほど発光強度は強くプラズマ密度は高い,(ii)その電子密度はマイクロ波投入電力2-10Wの範囲で,オリフィス下流において10^<11>-10^<13>cm^<-3>程度,(iii)窒素添加により見積もった回転温度は1100-1500K程度,(iv)これらから見積もられる比推力は70s,であることがわかった.実験値とモデル解析値の差異の要因は今後究明していく.
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Research Products
(1 results)