2006 Fiscal Year Annual Research Report
次世代超小型・高機能衛星のためのマイクロプラズマスラスタの研究開発
Project/Area Number |
04J01160
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鷹尾 祥典 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロスラスタ / ナノサテライト / マイクロプラズマ / マイクロ波プラズマ / マイクロノズル / 電気推進 / プラズマ診断 / 推力測定 |
Research Abstract |
マイクロ波励起マイクロプラズマスラスタについて今年度は,マイクロプラズマ源(内径1.5mm,長さ10mm,同軸型)に微細機械加工技術を用いて製作された3種類のマイクロノズル(スロート径0.12-0.2mm,長さ1.0-14mm)を装着し,微小推力スラストスタンドを用いた推進性能測定,数値計算結果との比較,また,高分解能分光器(焦点距離50cm,グレーティング:2400本/mm)を用いたプラズマ診断を行った.ここで,推進剤にはアルゴンを使用し,推進性能測定に関して微小推力の測定を精度良く行うため振子式とターゲット式測定法を組み合わせて行い,数値計算に関しては亜音速のプラズマ源から超音速のノズルスロート部下流の流れを自己無撞着に解析するモデルを構築して行った.推進性能の測定結果と数値計算結果との比較から,3種類のノズルの違いによる性能の有意な差は実験精度の誤差の範囲では得られなかったが,数値計算で示唆されていた圧力推力の大きな寄与を実験的にも確認し,ノズル壁面の状態としては断熱壁条件よりも等温壁条件にかなり近いことが分かった.また,推進剤流量60sccm,マイクロ波電力6Wにおいて得られた推進性能は,推力1.4mN,比推力79s,推進効率8.7%であり,超小型人工衛星(<10kg)の軌道制御に適用できることが実証できた.プラズマ診断では,トレーサーとして水素を微小量添加し,H_βスペクトル(486.1nm)のスペクトル幅からプラズマ源内部の電子密度を算出,得られた値は10^<14>Cm^<-3>代であり,これはプローブ測定によりプラズマプルーム中で得られた電子密度(〜10^<13>cm^<-3>)と比較して,プラズマ源から真空中に噴出される際にガスが数十倍に膨張することを考慮すると妥当な値である.
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Research Products
(3 results)