2004 Fiscal Year Annual Research Report
非中性プラズマを用いた多粒子系緩和過程に関する実験的研究
Project/Area Number |
04J01162
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
曽我 之泰 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非中性プラズマ / 波動トルク / 角運動量輸送 / ランダウ減衰 |
Research Abstract |
プラズマの加熱や輸送に対する波動の効果はプラズマの本質に関わる現象であり、宇宙・核融合の研究において依然として未解決かつ魅力的な課題となっている.優れた閉じ込め特性を示す非中性プラズマにおいても、現実の装置では避けることのできない僅かな非対称性や、非理想的な粒子間衝突によって閉じ込め時間の頭打ちが起こる.これに対して回転電場をプラズマに与えることにより、粒子の損失を抑えること、更には密度分布の軸上圧縮が可能となった.この現象を構成する物理過程の各要素を定量的に計測・解析し、輸送過程として再統合することが本研究の目的である.本年度はその初期段階として、プラズマに誘起される波動特性についての検証を行った結果、以下のような成果を得た. (1)純電子プラズマの一端にm=1の回転電場を与えて周波数を1.0MHzから6MHzまで上方掃引した場合に、軸上密度が約250倍増加することを観測した. (2)密度分布が収縮する機構としては、巨視的にはTrivelpiece-Gould modeに属する波からプラズマへの角運動量輸送によるとの解釈があるが、その内容はよく追求されていない.密度分布の収縮過程においてプラズマからの信号を受信すると、急激に軸上密度が上昇する時間帯でプラズマ波の減衰が観測される.微視的にはLandau dampingを通じての波から粒子への共鳴的励起が密度の急峻化に関わっていると解釈できるデータを得た. 上記の成果を、第12回国際プラズマ会議(ICPP)、プラズマ・核融合学会第21回年会、日本物理学会第60回年会において発表した.
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Research Products
(3 results)